ネットやスマホを使った連絡が基本となった現代の恋愛では、いい感じだったのにフェードアウトされてしまう「ゴースティング」と呼ばれる現象が起きやすくなっています。

何度かデートを重ねてみて本格的に付き合ってもいいかと思い始めたタイミングで急に相手と連絡が取れなくなってしまったり、マッチングアプリで好感触を得ていた相手とのメッセージ交換があっさり止まってしまうといった状況は、まさにこのゴースティングに当たります。

明確な断りや別れを告げられるでもなく相手にフェードアウトされてしまうと、原因がわからずにモヤモヤを抱え続けることにも繋がります。

また自分でも理由がよくわからないままに、いい感じになったはずの相手からフェードアウトを繰り返してしまうことに悩んでいる人もいることでしょう。

この記事では複数の観点から恋愛におけるフェードアウトやゴースティングと呼ばれる現象の実態と、その対処法について解説しています。
本記事の内容が恋愛中のフェードアウトに悩んでいる方の助力となれば幸いです。

いい感じだったのにフェードアウトされてしまう「ゴースティング」現象とは？

順調に関係性を築いてきたはずの相手が急に幽霊のように消えてしまう現象を、英語圏ではゴースティングと呼びます。
ゴースティングの基礎知識ついては以下の「メンタリストDaiGo」さんの動画がわかりやすいので参考にしてみてください。

ゴースティングの特徴は相手が特に不満や理由を口にするでもなく、まさにフェードアウト（自然消滅）してしまうことにあります。
そのため、フェードアウトされた側は自分に原因があるのではないかと深く傷付いたり、理不尽な去り方をした相手を過度に恨んだりといったメンタル不調を抱えることにもなります。

こうしたフェードアウトによるゴースティングがなぜ起こるのかについて、まずは深く掘り下げながら考えていくことにしましょう。

一般的にフェードアウトはインターネット時代に起こりやすい

交際関係が自然消滅してしまうこと自体は昔からよくある現象です。
しかしネットが普及する以前は関係が自然消滅するには物理的な距離や時間が必要だったのに対して、ネットで簡単に繋がることができるようになった現代社会では、一方がフェードアウトして関係が消滅するまでのスピードも段違いに速くなっています。
それこそSNSやマッチングアプリでは、実際に出会うよりも前に掴みかけた関係性が断たれてしまうことも珍しくありません。

ゴースティングについての研究は以前からありますが、その全てがインターネット時代に適応したものではない点には留意しておく必要があるでしょう。
そして対処法についてもネットやスマホが当たり前になった現代の事情に即したものを考案していくことが肝心と言えます。

恋愛に運命を求める人ほどフェードアウトしやすい？

上記の動画でも触れられていますが、恋愛関係においては運命の相手を探し求めている人ほどフェードアウトしやすい傾向があるとされています。
これは簡単に言うと「本当に相性の良い相手は直感的にわかるはず」との理想を持っている運命論者ほど、少しでも相手の気に入らない部分が目に入ると「これは運命の相手ではないという啓示」と捉えて別れを即断してしまうということです。

ただし動画ではキリスト教圏を中心とした研究結果が語られているため、それがそのまま日本の恋愛事情に当てはまるかどうかは少し疑問の余地があります。
運命の相手に対する感覚は宗教観・文化の違い・世代の差などによって相応の開きがあるため、あくまで一般論として受け止めておくといいでしょう。

恋愛に真面目な人ほどフェードアウトを気にしやすい？

また恋愛に対して「互いが支え合いながら成長していくもの」との考え方を持っている人ほど、勝手にフェードアウトして消えていく相手を許せないと感じる比率が高いとされています。
簡単にフェードアウトしてしまうタイプを運命に身を任せる直感・天才型とすると、それを許せないと感じるのはゼロから物事を組み立てていく真面目な努力型と言えるでしょう。

両者は根本的に反りが合っていないので、いわゆる「性格の不一致」「価値観の相違」によって自然と起こるべき別れが起こったと捉えてしまうこともできます。
しかし互いに持っていないものがあるからこそ惹かれ合うのも恋愛の本質です。
あらかじめゴースティングに関する知識を持っておくことで、フェードアウトの多くは防ぐことが十分に可能ですから、相性の問題と片付けてしまう前に関係性を維持する努力は惜しまないようにしておきましょう。

フェードアウトの理由全てがゴースティングというわけではない

恋愛対象が自然といなくなってしまうゴースティングには様々な原因が考えられますが、そもそもフェードアウトの全てがゴースティングであると決めつけることもできないでしょう。

たとえば単純にスマホが壊れたり回線を止められてしまい、復旧させているうちに改めて連絡するのが億劫になってしまったという事情も考えられます。
また怪我や病気、仕事の都合などによって急に特定の相手と連絡が取れなくなってしまうことも往々にしてよく起こることではあります。

こうした突発的な事情によるフェードアウトはどうしても防ぎようがないものなので、たとえいい感じになった相手と連絡がつかなくなったからといって、全てをゴースティングと考えて落ち込む必要はないと言えます。

重要なのは相手にフェードアウトされてしまった理由を、たとえ何となくでも恋愛絡みの心変わりであろうと当たりをつけられるだけの知識を持っておくことです。

恋愛において相手に何も告げずにフェードアウトする心理に関しては、いくつかのパターンに分けられます。
そのパターンを把握しておくと、ゴースティングとそれ以外を見分けることも容易になるでしょう。

いい感じだったのにフェードアウトしてしまった理由とは？

ここからは実際にいい感じだった相手とのフェードアウトがどのような理由で起こったのかについて、そのパターン分類を紹介していきます。

恋愛対象からフェードアウトしてしまう理由については男女で共通したものもあれば、男性や女性に特有の事情も見受けられますが、そうした男女間の違いなども含めてより細かい理由を調べていくことは恋愛関係を長持ちさせる秘訣を探ることにも繋がるでしょう。

決定的な「地雷」を踏んでしまった

恋愛に限らず相手に何も告げずにフェードアウトする際の理由として多いのが、その人にとっての「地雷」となる話題を出されたというものです。
何が「地雷」となるのかはその人の趣味や価値観によってまるで違ってくるため、話題を出した方からすると相手を怒らせた自覚もないまま関係性が終わってしまうことになります。

身体的特徴・家庭事情・学歴・宗教・政治といったセンシティブなものから、好きなタレントやアニメの話題といったところまで、コミュニケーションの「地雷」はどこに埋まっているのかわかりません。

もし相手の地雷を踏んでしまったと少しでも感じたなら、すぐさまフォローすることが重要です。

別の異性の存在を感じ取ってしまった？

男女共にフェードアウトの理由としてよく挙げられるのが、相手に他の本命がいることを感じ取ってしまったからというものです。
これについては実際に本命や別の恋愛候補がいることもありますが、単に思い過ごしである場合も少なくないと考えられます。

このパターンにおけるフェードアウトの理由を深く考えていくと、正確には「本気になったあとで傷付くのが怖い」といった方が適切かも知れません。
つまり少しでも失恋するリスクを感じたら、本気の恋愛に発展する前にさっさと退散してしまった方が傷付く心配がなくていいという考え方です。

確実に勝てるかどうかわからない勝負から早々に降りておくのは安全策ではありますが、これはネット対戦ゲームにおける「切断逃げ」に近い卑怯な行動とも言えます。
こうしたフェードアウトを繰り返していると、相手に迷惑をかけるだけでなく、本人も逃げ癖ばかりが付いていくことになってしまうでしょう。

もし自分自身がこのパターンのフェードアウトをしている自覚があるのなら、もう少し勇気を出してみることをお勧めします。

他のパートナーとの仲が進展してしまった

こちらは逆に恋愛巧者に多いフェードアウトのパターンです。
つまりフェードアウトする側の方が複数の候補を天秤にかけていて、特定の相手との仲が進展したあとでその他の「キープ」を切るためにフェードアウトの形を取るというものです。

このパターンを利用する人の場合、自然とフェードアウトしやすいように「キープ」段階の相手には余計な個人情報を与えないように立ち回っていることがほとんどです。
そのため最初から妙に自分のことを語りたがらない相手に対しては、どんなにいい感じになったとしても急にフェードアウトされる可能性を警戒しておく必要があるでしょう。

体の関係に満足してしまった

マッチングアプリを使っている男性に多いパターンが「一度ベッドインまで持っていったのでもう満足してしまった」というものです。
いわゆる「やり捨て・やり逃げ」と呼ばれる状況がこれに当てはまるでしょう。

肉体関係は恋愛の過程と考える女性が多い一方で、男性の中には肉体関係を結ぶことこそが恋愛のゴールであると認識している人が多くいます。

特に若い男性や既婚男性にとってはベッドインの瞬間がその相手との最高潮で、それ以降は相手にまったく興味がなくなるケースも普通にあると思っておきましょう。

相手の感情を重く感じるようになってしまった

相手に対して重い感情を押し付け過ぎてフェードアウトされるパターンも存在します。
ストーカー的な重さとまではいかなくとも、人によっては1日に数回のメッセージを送られるだけでも重いと感じてしまいフェードアウトの理由になることがあります。

いい感じになったからといって互いの合意のない段階で恋人や夫婦のような振る舞いをしていると、相手は迷惑や恐怖を感じて引いていってしまいます。

このパターンで注目すべきなのは感情の重さそのものというよりも、お互いの心のバランスを無視する無遠慮さにあるとも言えるでしょう。

まとめ

いい感じだったのにフェードアウトされてしまうと、深く傷付き恋愛に臆病になってしまうこともあります。
しかしフェードアウトの理由は様々で、その中にはフェードアウトされた側にまったく責任がないものも少なくありません。

勝手にフェードアウトしてしまう人の特徴として、運命の相手といった自分の理想に見合わない相手に対しては見切りが早いという点が挙げられます。
そうした相手に執着しても成果は限定的なので、基本的には切り替えて新しい恋愛を始めるのが賢明と言えるでしょう。

ただし最初から相手のそうした性格がわかっているのであれば、対策を取りながら長期的な関係を築いていくことも難しくはありません。
また恋愛関係をフェードアウトすることによって無責任に切ってしまいがちな人も、自分自身の行動パターンを分析することで新しい恋愛の形を模索していくことができるはずです。

スマホやSNSに頼る現代の恋愛は「繋がり」をいかに保ち続けるかが大切になります。
安易なフェードアウトを防ぐ方法を知ることは、誰にとっても必ず役に立つことでしょう。