チチガの人は授乳で困る?チチガ授乳の気になる点と解消方法7つ
PR更新日: 2025年02月05日 女の悩み

ワキガの人はたいていの場合チチガも持っています。恥ずかしい話ですが私もそうなんです。
ワキガは授乳中でもデオドラントをしっかりしていれば大丈夫ですが、チチガは授乳中はデオドラントクリームを塗るわけに行かず私も困りました。
酷いと授乳を終えた赤ちゃんからワキガのような匂いがするんです。凹みました・・・。
そんな私のチチガの授乳中のデオドラントのやり方、ワキガから見る治療方法、気にしないようにする方法などを紹介します。
1.チチガはどうして起きるの?ワキガとの違いを解説
ワキガの人はアポクリン線という特殊な線を脇に持っています。この線は脇だけでなく、乳首周辺や陰部の部分にもあります。
日本人では10人に1人くらいが持っていると言われています。このアポクリン線は汗ではなく脂質やたんぱく質が含まれる乳白色の液体を出します。
なぜそんなものを出すのかと言うと、元々は動物の中で強烈な性的ホルモンとして重宝されていたからです。
しかし人間の社会生活の中ではそんなものは不要になり、今では厄介な線としてアポクリン線の除去手術や汗を抑える治療が流行っていますね。
1-1.ワキガ臭の原因とチチガは同じ原理
ではなぜワキガはあんなに強烈な匂いを出すのでしょうか?
答えは上に記したアポクリン線から出る脂質とたんぱく質にあります。これらは雑菌にとっては格好の栄養になります。
雑菌がアポクリン線から出たものをこぞって分解しはじめます。そうするとあの匂いが出るのです。
つまり、雑菌が寄ってこなければ匂いは出ないのです。
普通の汗はエクリン線が出しておりここからはそんなもの出ていないので、同じ身体からの分泌物でも匂いはしないですよね。
このアポクリン線は乳首周りにも存在しています。
汗を掻くと乳首のあたりがなんだか匂うな?と思ったことはあるのではないでしょうか?このように、チチガとワキガはアポクリン線のある位置と量が異なるだけで他に違いはありません。
2.授乳中にチチガの匂いが酷くなることはあるの?
出産後はおっぱいを作るために乳腺や乳首の活動が活発になります。そうするともちろん乳首周りのアポクリン線の活動も活発になります。
おっぱいが出ると同時にアポクリン線も分泌物をどんどん出して、乳汁自体からワキガ臭がすることもあります。
加えてホルモンバランスも崩れるので、出産後はいきなり匂いが強くなってしまうことがあるのです。
2-1.免疫力の低下や生活習慣の変化が原因かも
他の原因としては、出産後は免疫力が低下することが挙げられます。免疫力が低下すると体臭がきつくなることがあります。
ワキガでないお母さんもそうなるのですから、ワキガの人が免疫力が低下するとワキガやチチガが酷くなってしまいますよね。
産後は赤ちゃんのお世話にかかりっきりでしっかりお風呂に入れなかったり、寝不足で疲れていたり、オムツ替えやお着替えで忙しくなり、たくさん汗を掻くことも原因と言われています。
3.授乳時にチチガの匂いが!緊急対処はどうしたらいいの?
授乳中にチチガになっても、乳首にデオドラントクリームを塗るわけには行きませんよね。私も本当に困りました。
特に上の子は真夏のお産だったので、ワキガもチチガも強烈に酷くなってしまいました。そんな私はどう乗り切っていたかを教えます。
3-1.マストアイテムだった清浄綿とは?
出産をすると「お産セット」というものを産院からもらいます。
お産セットには、「清浄綿」というコットンが入っています。これはどんなものかというと、医療用の脱脂綿にごく低濃度の消毒液をしみこませてあり、個別にフィルム包装し、滅菌したものです。
これは市販でも売っており、赤ちゃん用品店やドラッグストアで買うことができます。
「コレだ!」と思いました(笑)。
個別に梱包されており、1枚1枚使う時に開封できるため常に清潔な状態を保てるし、ごく微量の赤ちゃんに影響の無い程度の消毒液が染み込んでいるので、乳首周りを殺菌することが出来るのです。
湿っているというよりは、濡れているという感じで、しっかり乳首周りを拭くことが出来ます。私は乳首を拭いた後についでに脇も拭いて授乳のたびにサッパリした気持ちになっていました。
元々、清浄綿はおしもの傷を拭くものとして渡されるのですが、たいていの場合余りますので乳首や脇に使用しても大丈夫です。
足らなくなったら産院の中で買えますし、家族にドラッグストアや赤ちゃん用品店で買ってきてもらうことも出来ます。
入院中に大部屋に当たると、ワキガの匂いがもしかして隣の人にも届いてしまうかもしれませんし、授乳室は混んでいることもあります。
授乳前に乳首を清浄綿で拭くことを推奨する産科もありますから、気兼ねなく使えます。
急な時も清浄綿を使い迅速にケアしたいですね。鞄には常に10枚くらいのストックをしておきましょう。
3-2.授乳ブラとパッドは常に清潔に
予防策としては授乳ブラと母乳パッドを常に清潔なものにしておくことです。
乳首周辺のアポクリン線から出たたんぱく質や脂肪分などはそのまま母乳パッドに付着し続けます。
それをほおっておくと・・・わかりますよね。
母乳パッドからもあの強烈な匂いがしてしまうのです。
これを防ぐためと、乳首周辺を常に清潔な状態に保つという意味でも母乳パッドは多めに持ち歩き、こまめに交換しましょう。
そして授乳ブラも汗をかくと脇からはワキガの匂い、カップからはチチガの匂い・・・なんてことになってしまいます。
毎日交換はもちろんのこと、色が落ちない酸素系漂白剤で漬け込んだり手洗いするなどして除菌に心がけてください。
また毎日のお風呂タイムでは、洗浄力の強いボディーソープではなく、デリケートゾーンの洗浄に適した「ジャムウ・ハーバルソープ」などを使用しましょう。
4.心配になってしまう!チチガは赤ちゃんに悪い影響はある?
こんなに匂ってしまうなんて、赤ちゃんに悪い影響があるかも・・・と心配になってしまうお母さんもいますよね。大丈夫です。
チチガには赤ちゃんに影響のある悪い成分は含まれていませんし、お母さんが心配するほど赤ちゃんはチチガを気にしていません。
赤ちゃんは大好きなお母さんのおいしいおっぱいをたくさん飲みたいのです、チチガを気にせずたくさんおっぱいをあげてくださいね。
4-1.授乳中の食べ物で改善するかも
チチガよりも気にしてほしいのは、授乳中の食べ物です。
肉やファーストフードは避け、根菜やご飯をたくさん食べてください。
野菜や魚中心の和食にすることで、チチガの匂いが治まって来たという人もいます。
チチガにイライラせず、毎日の食事に気を使うことでより大切な赤ちゃんとの時間がゆったりした幸せなものになるでしょう。
5.チチガは赤ちゃんに遺伝する?その理由を解説
これは残念ながら、遺伝することもあります。
子供に必ずワキガ体質が遺伝するとは限らないのですが、ワキガ遺伝子は優性遺伝です。優先遺伝とは何でしょうか?少し難しいですが説明します。
5-1.ワキガは優性遺伝子
ワキガなど体質を決定する染色体は両親から一つずつ遺伝子を受け継ぐことになっています。そして遺伝子は対になって出来ています。
遺伝子一組を白と黒の○と●で表した時、組み合わせとして3種類になります。
それが、○○、○●、●●です。
この3種類のうち、○●の組み合わせになった時は○と●の中間のグレーの体質になるわけではなく、どちらかに偏って現れます。
○●の時、○の体質が現れるのなら○は●に対して“優勢”になり、逆に●は○に対して劣性となります。この場合の優先遺伝とは○の体質となります。
ですので、ワキガというのは上記で言えば○で、ワキガでない体質が●になります。父母の体質がどちらも●であれば●●の遺伝子になるのでワキガにはなりませんが、どちらかに○●があれば可能性としては子供の遺伝子の組み合わせは○●もしくは●●となり、ワキガになる確率は二分の一の確立、つまり50%で遺伝するということです。
5-2.性別は関係無い
ワキガ体質が遺伝するということは、チチガも遺伝するということですよね。
また、チチガは女性だけでなく男性にも遺伝します。
女性は出産でチチガが酷くなることがあるのでよけい気になるだけで、男女のどちらかにチチガが発生しやすいわけではありません。
5-3.思春期前にワキガか調べる方法
ワキガの匂いを発するのは思春期以降ですが、その前にも子供にワキガが遺伝しているか調べる方法があります。その方法は“耳垢が湿っているかどうか”です。
実は耳の中にもアポクリン線は存在するのですが、耳の中は雑菌が繁殖しにくいために匂いがしないのです。
アポクリン線からは脂質とたんぱく質を出しますから、耳垢がべとっとするのです。
子供がベトベトとした耳垢だった場合はワキガが遺伝している可能性が高くなります。思春期になる前に本人と相談して治療を考えてあげましょう。
6.ワキガみたいに治せる?チチガは病院で治療できる
デオドラントにこまめに気を使えば良いとはわかっているものの、そんな余裕が無いのが育児ですよね。
いっそのことチチガを手術で改善してしまいたいと思っている人もいることでしょう。
ワキガはボトックス注射や手術で改善できることは衆知ですが、チチガはどうなのでしょうか?
6-1.ワキガの治療法とは?
まずワキガの治療方法の全てについて知っておきましょう。
①塩化アルミニウム液(軽度)
制汗剤ですが、匂いを抑える効果があります。オドレミンという名前で市販されています。
②臭化プロバンテリン(軽度)
保険適用の抗コリン剤という内服薬です。汗を抑えます。口、目、喉の渇きや尿の出が悪くなります。
③緊張して多汗症になりワキガが酷くなる人には精神安定剤も処方されます。
眠気やふらつきなどの副作用があるので、必ず医師と相談して服用してください。
④ボトックス注射(中度)
ボツリヌス菌の成分を脇の下に注射します。汗の分泌を減らします。これはアポクリン線ではなく、主にエクリン線のほうへ働きかけます。
多汗症とワキガを患っている人には効果的です。効果が半年~1年ほどと短いです。
⑤電気凝固法(中度)
脇の毛穴に電気針を刺し、高周波電流を通し脱毛、アポクリン線、皮脂腺を破壊します。われはワキガの治療と同時に脱毛も行うことが出来るのです。
⑥剪除法 (中~重度)
脇の下を切開して裏返し、アポクリン線を目視で一本ずつ取り除いて行きます。これは保険が適応される手術です。
直接目視で取り除くことから、再発の確立は低く、確実にワキガを治したいという人はこの方法を選びます。
しかし、医師の腕によっては再発することもあります。入院はありませんが1週間ほどガーゼをあてて過ごします。
⑦皮下組織吸引法 (中~重度)
脇に穴を開けてそこから細い管を通して掻き出して吸い取る方法です。アポクリン線、エクリン線、皮脂腺をかき出します。
しかし完全にアポクリン線を取り去ることは難しく、剪除法よりも再発しやすいと言われています。
⑧超音波吸引法(中~重度)
吸引法をベースに、先端に超音波を発生させ、熱によってアポクリン線を破壊し吸引する方法です。
こちらも完全にアポクリン線を取り去ることは難しく、また医師の技量によっては火傷をしたり合併症にかかることもあります。
⑨皮下組織切除法
皮膚をローラーで押さえカミソリで切除するという専用器具を使います。
皮下組織ごと削りアポクリン線やエクリン線を除去します。
効果は高いものとなり傷口も小さいですが、回復するのに時間を必要とします。こちらも技量によっては皮膚壊死の恐れがあります。
6-2.チチガに適した治療とは?
このように、種類もたくさんあり効果やリスクについてもそれぞれです。では、この中から、もしくはそれ以外でチチガの治療に適したものとはあるのでしょうか?
チチガには基本的には手術方法は用いられていません。
脇よりはアポクリン線の数も少なく、よほどのケースが無いかぎりは手術まで考え行おうとする人が少ないからだと思います。
ではチチガの治療にはどのようなものが主流となっているのでしょうか?一般的なものを挙げてみます。
①ビューホット
2014年8月からスタートした治療法です。
まだ世間ではあまり認知されていませんが、実績を持っている病院は増えています。
ワキガに対しては超音波、高周波を使った治療法では完全に取り去ることは難しいと言われていますが、チチガはアポクリン線の量が少なく汗腺も活発ではありません。
極細の針でピンポイントで治療するために傷跡も残らないのです。
②ウルセラドライ(超音波)
超音波エコーを使った治療法です。
「切らない治療」という名目の通り、超音波エコー画像で汗腺を確認し、ピンポイントに絞り治療をします。
高密度の焦点式超音波を照射し、汗腺に熱損傷を起こして働きを抑えます。
すぐに日常生活に戻ることが出来ます。
③ペアドライ
ビューほっとウルセラドライを組み合わせた治療法です。
超音波により汗腺の働きを抑え、ビューホットにより皮下の深さにより出力を変えて治療します。
アポクリン腺だけではなく、エクリン腺の両方の汗腺を凝固させます。汗と臭いの両方を抑えることが出来るのです。
効果は半永久的で、再発率が低いと言われています。
④ボトックス
ワキガと同じく、ボツリヌス菌から抽出した成分を注射します。半年~1年の感覚で打ち続けなくてはいけません。
このように様々な方法がありますから、自分に合ったものを選ぶと良いと思います。
どちらかと言えばアポクリン線とエクリン線の量を減らして治療の効果を最大限にするという方法がチチガには向いています。
ワキガでは再発が懸念されるこの方法ですが、チチガであれば効果がありそうですね。
7.チチガを気にしすぎないようにするには
赤ちゃんがおっぱいを飲み終えると赤ちゃんの口からワキガ臭がすることもありますよね。「何で自分はチチガなんだろう・・・」「他のお母さんは普通に何も考えずにおっぱいをあげられるんだ、いいなあ」と思ってしまうこともあるでしょう。
でも、ワキガ体質の人でもチチガが酷くなるのは一時的なものです。
授乳も長くても1年だし、その間に女性ホルモンも落ち着いて来ればチチガの匂いも現象して行くはずです。
産んで最初の1年は赤ちゃんを連れて外出なんてチチガじゃない人でもままなりませんし、大抵の人はナーバスになったり育児で疲れたり寝不足でイライラしたり幸せを感じている暇も無いほど大忙しです。
“自分だけが辛いんじゃない、皆多かれ少なかれ同じなんだ”と思うことも大切です。
7-1.卒乳を早めたら落ち着くかも
どうしても辛ければ1年授乳を頑張らず半年ほどで卒乳して治療に移っても大丈夫です。
母乳に含まれる免疫成分は最初の1月与えれば十分だと私の主治医は言っていました。3ヶ月あげられたら後はミルクで構わないという意見はとても多いのです。
私は2ヵ月でおっぱいが出なくなり、ミルクになりましたが、そういえばそのあたりからチチガも落ち着いて来たように思います。
どれだけおっぱいが大好きな子でも、1歳くらいからは周りが卒乳を勧めて来ますし、社会復帰するお母さんも多いですよね。
チチガが辛かったら他にいくらでも理由をつけて早めに卒乳させても構わないのです。
チチガもおっぱいが出なくなると同時に治まる可能性は高いのです。
楽になった身体と気持ちでたくさん赤ちゃんとスキンシップをとったりお出かけを楽しんだらいかがでしょうか?